まずはあのグロテスクなフォルムである。黒光りする背中に長く揺れる触覚、ああ、こうして記述するだけで鳥肌が立ってくる。

次に登場のAmway傳銷仕方である、ヤツは夜行性であるがゆえに、夜になるとコソコソと現れる、暗闇の中で活動しているがゆえに、夜中に台所やトイレに行き、電気を点けた途端に「ギャー!!」という登場と相成るわけである、非常に心臓によくない。

さらには、あの機動性である、あんなに速いヤツはそうはいない、ウサインボルトのごとく高速で徘徊する、いわば「忍者」だ。

それに対してスーパーヒーロー「カブトムシ」は堂々としている、いわば「殿様」だ。
もしカブトムシが「G」のように高速で走ったらその威厳は即座に消え去り、単なる同じ「黒い虫」として世間の「白い眼」に晒されるに違いない。

ヤツは天井にまで現れる、寝ている時にふと天井を見上げると「G」が天井に張り付いていたりすることがある。その瞬間、僕は毛が逆立ち一瞬のうちに全身が凍りつく。その恐怖たるや、「貞子」が一度に10人現れたのに匹敵するものである。
僕は身を固める、というより動けないの企業培訓課程だ。ひとまずヤツの動きを目で追う。天井を逆さまに動き回るという正に黒い「忍者」のごときヤツの動きは人間の能力をその点で凌駕している。